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毛刈り後脱毛って知ってますか

毛を短くカットした後、伸びてこない(生えてこない)事があります。
正確には伸びてくる箇所とこない箇所が出来て、まだら生えになる事を言います。

正式名は【剪毛後脱毛症(せんもうごだつもうしょう)】というらしいです。

脱毛と名がついていますが、実際は抜けているのではなく、伸びて(生えて)こないのです。
毛の成長が止まってしまい、毛根が「冬眠」してしまっている状態の事を言います。

通常、被毛のサイクルは人と同じく成長期→退行期→休止期があり、このサイクルにより発毛と脱毛を繰り返しています。

本来であればカットをしても毛は伸びてきますが、まれに毛が生えてこなかったり伸びてこなかったりする子がいます。

原因はハッキリと解明されていませんが、成長ホルモンに異常があるか、短くした事により被毛への血液供給が悪くなった可能性が有 力なようです。

毛刈り後脱毛が起きやすい犬種としては、ポメラニアンが圧倒的代表格です。
他にもサモエドやマラミュート、柴犬やシェルティなど、「ダブルコートである短毛種」さらには「アンダー コートが多い犬種」がかなりの危険性があります。



カット後数か月経過した状態で、伸びてこない毛があります


伸びてこないので、カットした時のラインがくっきり残っています

なってしまった子を見ていると、アンダーコートの方が伸びてきていないように見受けられます。
元々、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)は伸びてくる速度が違うので、どんな子でも生え揃うまでは多少なりまだら になります。
毛刈り後脱毛の子は、伸びてこない為いつまで経ってもまだらです。

知識のあるトリマーであれば、カットをご希望された時に「短く切ると毛が生えなくなってしまう可能性がある」という事を飼い主様 に事前に伝え了承を得た上でカットしますが、知らない(もしくは気にしてない)トリマーだと何も言われずに切られちゃいます。
※だからと言って、トリマーを責めないであげてくださいね。

これは個体差でなる子とならない子がおり、実際切ってみないと分かりません。
なりそうだなと思う子もいますが、あくまで怪しいというだけで絶対ではありません。

「バリカンをかけるとなる」と思っているトリマーが殆どですが、ハサミでカットしても同じです。
バリカンの方が危険性は高いですが、ハサミで同じ長さにしてしまえば同じです。
短く切れば切る程、生えてこない可能性は高まると思ってください。

予防方法はありません。
しいて言うなら「切らない」事です。

どうしても切りたい場合は、最初は半分くらいに留め様子を見ましょう。
それでまだらにならずに生えてくるようなら、もう少し短くしても良いと思います。
ただし、これは年齢でも起きるので、今まで平気だったのに急に生えなくなった!なんて事もありますので要注意です。

【なってしまった場合】
毛刈り後脱毛は脱毛でも皮膚病でもないので、被毛は健康です。
眠ってしまっている状態なので、数年後に急に生えてきたりします。
※写真の子は5年後に生え始め、モサモサになりました(切ったらまたなる)
生えてくる前に、泥パックや食事を替えておりましたので、そのせいかもしれません。

年数はまちまちなので、少しでも早く戻したい場合は、血流をよくする為のケア(入浴やパック等の)や、毛の成長を促すために良質なた んぱく質やビタミンを多く与えてみたり、被毛(毛根)を活性化させるようなケアをしてみるといいかと思います。





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